こんにちは。
那由多です。
今回は『ペーパー・ムーン』という映画をレビューします。
『ペーパー・ムーン』はお笑い芸人のダウンタウン松本人志さんが最高傑作と評した映画です。
実の親子で共演を果たし最年少助演女優賞を獲得した『テータム・オニール』
この映画は1973年にアメリカで上映され、日本では1974年に上映されています。
1973年当時はカラー映画が一般的でした。
しかしこの映画はモノクロです。
現在の映画は映像の綺麗さを競い、CGもふんだんに使用しているので、この白黒な映像には違和感を感じるかもしれません。
そしてこの表現を選んだ理由は主演の『ライアン・オニール』と助演の『テータム・オニール』が金髪で青い目をしており、それを隠すためということでした。
この映画の舞台は1935年のアメリカの大恐慌の時期であり、その時代に金髪で青い目は合わなかったためということです。
そしてこの『ライアン・オニール』と『テータム・オニール』は実の親子です。
『テータム・オニール』がこの映画に出演した時は9歳でした。
そして10歳の時にアカデミー賞で助演女優賞を獲得しています。
この時の『テータム・オニール』は史上最年少助演女優賞を獲得しており、現在でもこの記録は破られていません。
親子で映画に出演、しかも主演と助演をするとはなかなかないと思います。
その中で親よりも圧倒的にキャリアが短い娘がアカデミー賞で賞をもらうのはかなりすごいことだと思います。
これから『テータム・オニール』を超える逸材は現れるのか楽しみですね。
ダウンタウンの松本人志さんが絶賛した『ペーパー・ムーン』をレビュー
ダウンタウンの松本人志さんが色んな所で最高傑作の映画を聞かれた時に『ペーパー・ムーン』と答えています。
松本人志さんはお笑い芸人なので笑いの目線で映画を見たと思います。
映画としてはテンポがよく、飽きもせずに見れると思います。
『テータム・オニール』演じる『アディ』は母親を交通事故で失います。
葬儀のシーンから映画が始まりますが、そこに『ライアン・オニール』演じる『モーゼ』が登場します。
『モーゼ』は『アディ』の母親の元カレでした。
そういった経緯で葬儀に参加していた人は『モーゼ』に『アディ』を強引に預けます。
『アディ』は『モーゼ』に「もしかしてパパなの?」と質問します。
根拠は「アゴの形が似ているから」というこじつけのようなものですが映画の中では実の親子なのかは言及されません。
ただ現実の世界では前述のように『ライアン・オニール』と『テータム・オニール』は実の親子です。
なのでここは映画を見たそれぞれが考察する部分かなと思います。
『アディ』は聡明な子供の役で大人の『モーゼ』がたまに面食らう場面もあり映画『レオン』を彷彿とさせます。
『モーゼ』は冴えない詐欺師という役なので映画『レオン』のような最強の殺し屋と幼い女の子というコンビとは違います。
ですが、『アディ』の演技は『レオン』の『マチルダ』に近いものがあり良き相棒となります。
もちろん『レオン』の方が後年に上映された映画なので『マチルダ』が『アディ』に似ているというのが正確ですね。
個人的には父親である『ライアン・オニール』の演技もとても面白く、状況や『アディ』に振り回される役をこなしていて好きですね。
『ペーパー・ムーン』は魅力的な人物が多く登場し、キャラクターが全員立っていることが面白さに繋がっていると思います。
人間としての弱さやだらしない部分も描き、緊張と緩和でストーリーを進めている部分もあります。
なので2時間近い映画でもあっという間に感じるように新鮮な体験ができるのかもしれません。
ダウンタウンの松本人志さんは芸人の頂点に立ち、その後映画監督となりました。
ダウンタウンを結成したのは1982年ですが、この映画が日本で上映された1974年にはこの映画を見て将来は映画監督を志したのかも知れませんね。