こんにちは。
那由多です。
みなさんは飛行機に乗った時、離陸して5分で飛行機が不時着することになったらどうしますか?
恐らく何も心の準備はできないと思います。
今回はそんな乗客を150名、乗員5名を乗せた飛行機を操縦し、全員を生存させたサレンバーガー機長というパイロットを題材にした映画を見たのでレビューします。
実際に起こった飛行機不時着水事故『ハドソン川の奇跡』
映画『ハドソン川の奇跡』の元となった出来事も同名で『ハドソン川の奇跡』と呼ばれます。
映画のレビューの前に実際に起こった『ハドソン川の奇跡』がどういったものだったのかを説明します。
2009年1月15日の15:30頃に発生した事故でニューヨーク州のハドソン川付近が事故の現場となっています。
この事故は飛行機が離陸しこれから旅が始まるというタイミングで起こりました。
離陸して地上15000フィート(約4.5㎞)まで上昇しようとしている時に鳥の群れの中に飛行機が突っ込んでしまい、エンジンを損傷したことで推力を失います。
これは離陸して1分後に起こります。
鳥が航空機などにぶつかることを「バードストライク」と言います。
なにかっこいい必殺技みたいな名前つけてんだよと思うかもしれませんが、避けようがないので怖いですね。
この時のバードストライクは1羽1羽がかなりの大きさの鳥の群れで、鳥の大きさも事故の原因になったようです。
そして管制官からは離陸した空港か、事故現場から比較的近い空港かを着陸場所として提示されました。
しかしサレンバーガー機長は「ハドソン川に降りる」と決意します。
提示された2つの空港には「たどり着かない」という判断です。
映画の中でも再現されていますが、コックピットでの管制官との通信の音声記録は公開されています。
もちろん全て英語なので何を言っているのかはわかりませんが、終始冷静で焦ったり悲観したりする素振りが全くないのは伝わってきます。
絶体絶命の状況で、あの対応ができるのはすごいと思います。
事故が起きたのは1月15日のニューヨーク州の川です。
無事に着水しても、もし機内に閉じ込められたら凍死してしまいます。
しかし他に選択肢はありませんでした。
結果は機体を大きく損傷することなく無事に着水させることに成功し、乗客を飛行機の翼やフラップに脱出させます。
そして乗員乗客155名全員が生存し、ニューヨークという都会なのに川に降りたことによって地上にも被害がありませんでした。
飛行機の機体は着水してから約1時間後に沈んでいったようです。
迅速な救助もあり全員が助かった事例と言えますね。
映画『ハドソン川の奇跡』を見た感想
現実に起こった『ハドソン川の奇跡』は上記のような出来事です。
実は僕は映画を見る前から『ハドソン川の奇跡』については知っていました。
そして普段は映画を見る際は事前に情報を得ることなく初見を大切にしています。
ただ今回は事故の情報は知っていたのでハプニングが起きて、それを解決する英雄譚が描かれているのかなと思いました。
ですが、映画の冒頭は『ハドソン川の奇跡』が起きた翌日からスタートします。
そして現実の世界で155名の命を救ったサレンバーガー機長は映画の中では多くのマスコミに囲まれます。
マスコミから解放されると事故調査委員会からの質問攻めにあい、サレンバーガー機長の家族もマスコミに付きまとわれて疲弊していきます。
事故調査委員会はサレンバーガー機長の判断に疑問を持ちます。
「実は管制官が提示した空港にたどり着くことができたのではないか」
「サレンバーガー機長はいたずらに乗客を危険に晒したのではないか」
という疑惑です。
そして当人のサレンバーガー機長もヒーロー扱いしてくれているマスコミが手のひらを返して追及してくる夢を見るようになって考え込んでしまいます。
まさかヒーロー好きのアメリカの映画で、このテーマの作品でこんな社会派な内容だとは思いませんでした。
ネタバレになるのでこれ以上は書きませんがとても感動しました。
映画のエンドロールでは着水してから乗員乗客155名の全員の救出まで24分しかかかっていないことが明言されています。
これは通報があってから駆け付けた場合ではここまでスピーディーに救出できなかったと思います。
1時間後には機体は沈んでいたので時間がかかったら犠牲者が出ていたはずです。
調べれば調べるほど本当に奇跡だったんだなと思いますし、この映画はただの英雄譚にしたくなかったのだろうなと感じます。
ぜひ見てみてください。