自分がこの境遇になったら… 映画『ターミナル』
こんにちは。
那由多です。
今回は映画『ターミナル』をレビューします。
この映画はスティーブン・スピルバーグさんが監督を行い、主演はトム・ハンクスさんです。
数奇な運命のために言葉も通じない異国の空港内から出られなくなった男を描きます。
トム・ハンクスさんの演技が絶品な映画『ターミナル』
トム・ハンクスさんは名優ですが、この作品でもその実力が遺憾なく発揮されています。
『ターミナル』は飛行機に乗っている間に祖国でクーデターが起きて祖国が消滅し、持っているパスポートが無効になってしまった男を描いています。
舞台はアメリカのJFK空港で、トム・ハンクスさんが演じる主人公のビクター・ナボルスキーはクラコウジアという架空の国からやってきました。
クラコウジアはロシアに近く、英語が公用語ではないためにビクター・ナボルスキーは英語もわからないという設定です。
そんな中で空港のロビーから出れば不法入国、そしてパスポートが失効したので飛行機にも乗ることができないという難しい役を見事に演じています。
言葉がわからないので序盤は話がかみ合わず、祖国の消滅を知らないビクター・ナボルスキーは入国できると思って少し間抜けな対応をします。
こういったクスクス笑ってしまうような場面は個人的にはトム・ハンクスさんはとてもうまいと思います。
トム・ハンクスさんの演技を見るだけでもこの映画は見る価値があると思います。
そしてネタバレになるので詳しくは言いませんが、空港内で言葉の壁も乗り越えて友情を育み熱い情で結ばれていくのは感動的ですね。
ストーリーもとてもいいと思いました。
『ターミナル』には最終的には誰も不幸になる人はいません。
なので安心して見ていられるという面でもいい映画だと思います。
そして39歳のCA役をした当時35歳くらいのキャサリン・ゼタ・ジョーンズさんがめちゃくちゃ美人ですね。
実際に空港内で生活していた人物がモデルとなった映画『ターミナル』
現実の世界でも空港内で生活した人物がいます。
映画『ターミナル』のモデルになった人物はイラン人のマーハン・カリミ・ナセリさんです。
マーハン・カリミ・ナセリさんは普段、空港内で「ターミナルマン」という日記を書いており、その日記を映画化する権利を映画の会社は買って映画化をしたということです。
ただマーハン・カリミ・ナセリさんの人物像は『ターミナル』のビクター・ナボルスキーとはだいぶ変わっています。
ビクター・ナボルスキーは飛行機に乗っているうちに祖国が消滅したという状況に陥ります。
しかしマーハン・カリミ・ナセリさんは自身の祖国の政権に反対運動をして亡命し難民となっています。
そして出国許可証を持っていたのですが、それを勘違いから手放してしまって空港内から出られなくなってしまったということです。
当たり前ですが映画の方が面白い脚色があってよりドラマチックな展開になります。
ただこのマーハン・カリミ・ナセリさんはなんと約18年間も空港で暮らしました。
この長い期間同じ場所で寝泊まりしていた中ではいろんな物語があったと思います。
『ターミナル』はほんの数日の物語ですが、約18年分のストーリーにも人も興味をひくものもあったと思いますね。
そして調べてみると空港内で生活をせざるを得なくなった人物は意外と多いことがわかります。
ほとんどは1年も生活していませんが、都市伝説が好きな人にはお馴染みな『エドワード・スノーデン』さんもアメリカによってパスポートが失効させられて空港から出られなくなりました。
そして日本の空港でも生活せざるを得なくなった外国人がいたようです。
日本の場合は他の国の空港に送還して解決しているようですが。
現実では治安の悪化など不安に感じますが、映画『ターミナル』の主人公のビクター・ナボルスキーは真面目な人物で好感が持てるので是非映画を見てみてください。