那由多の映画ブログ

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北野映画の方向性を決定づけた映画『ソナチネ』

こんにちは。

那由多です。

 

今回は北野武さん監督作品4作目の映画『ソナチネ』を観たのでレビューします。

 

このブログをスタートするにあたって、せっかくだから北野映画を全部観てレビューしようと思って1作品ずつ観てきましたが、有名どころはだいたいおさえられました。

 

ソナチネ』は北野武監督の初期作品であり、後の作品に影響を与えた作品かなと思います。

 

北野映画のイメージはバイオレンスという方も多いと思います。

 

テレビCMで映画の宣伝をする時に銃を撃ちまくっているシーンが多いので、そういうイメージになるのも仕方ないと思います。

 

一番の見どころは紙相撲

バイオレンス多めになるのはやはり扱っているテーマが裏の家業だからということもあると思います。

 

そして裏の家業を描くとどうしても緊迫感があります。

 

そこに北野武さんではなくビートたけしさん要素が入り、コミカルな笑いが入ることで緊迫感と緩和の差が出て作品に深みがでていると思います。

 

今回の『ソナチネ』では紙相撲を行うシーンがあります。

 

これは後に出演者も「一番苦労した」と述懐していますが、かなりの力作だと思います。

 

思わずクスっと笑ってしまうシーンですね。

 

そして『ソナチネ』ではそういったクスっと笑ってしまうシーンに伏線があり、それを回収しながらクライマックスに向かっていきます。

 

あんまり死ぬのを怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ

映画『ソナチネ』は制作費が5億円、興行収入は8000万円と大赤字だったそうです。

 

しかし海外では北野武監督作品が認められるきっかけとなるほどヒットし、後にたくさんの受賞作品が誕生する礎となったようです。

 

ソナチネ』では大赤字を出してしまいましたが、ここで映画作りを諦めてしまっていたら後の成功はなかったわけですね。

 

そして裏の家業の役でコミカルなシーンを入れることで作品にコントラストができるというスタンスが確立しました。

 

さらに映画『ソナチネ』には名言があります。

 

ある女性が「死ぬのが怖くないの?」と聞きます。

 

その女性は危ない所をビートたけしさん演じる村川に救われており、村川が裏の家業をしていることを知っても懐いていました。

 

女性の質問に対して「あんまり死ぬのを怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」と村川は笑いながら答えます。

 

そして映画のラストに繋がっていきます。

 

ぜひ観てみてください。