那由多の映画ブログ

映画レビューや映画についてのちょっとしたネタを書きます

北野武さんヴァージョンの『座頭市』はミュージカルのよう

こんにちは。

那由多です。

 

今回も北野武さん監督作品の映画についてレビューします。

 

今回は『座頭市』です。

 

座頭市は日本では伝統的に演じられる作品です。

 

そしてその代表的な演者さんは「勝新太郎(かつしんたろう)」さんです。

 

勝新太郎さんが主演の座頭市は「子母澤寛(しぼさわかん)」さんが1948年に発表した小説が元になっています。

 

そして時代劇作品の流れを踏襲し、殺陣があり緊迫感がある物語となっています。

 

勝新太郎さんがご存命だった時はほとんどの座頭市作品の主演は勝新太郎さんで、この方以外では演じられない役だったようですね。

 

勝新太郎さんは波乱万丈な人生を送っているので『映画人 勝新太郎』として1本記事を書いてみようかなと思います。

 

座頭市の「座頭」というのは目が見えない人という意味のようで、市は主人公の名前です。

 

なので座頭市は「目が見えない市」という意味ですね。

 

目は見えませんが、市は剣術の達人で戦い始めると息をのむほどの剣技を見せます。

 

しかし普段は大人しく、目が見えないので按摩の仕事をして過ごすというギャップがあります。

 

北野武さん監督作品の『座頭市』はタップダンスで魅せる

北野武さんが監督として撮影した映画『座頭市』は主役の市をビートたけしさんが演じます。

 

この時のたけしさんは金髪で市も金髪でした。

 

そして作品の至る所に音楽があります。

 

雨が降って桶に落ちる雨粒。

 

田んぼを数人の農民が耕す鍬。

 

大工が家を建てる時のトンカチ。

 

そんななんともないシーンに音楽があり、目も耳も楽しめる作品になっていると思います。

 

そしてタップダンスも至る所ででてきます。

 

時代劇とタップダンスや金髪はアンマッチと言われるとは、北野武さんはわかっていたと思います。

 

しかし時代劇を様々な世代に届けて楽しんでもらおうとしたら、こういった形になったのかなと思います。

 

音楽やタップダンス、金髪など楽しそうな要素が盛りだくさんですが、実はストーリー自体は暗く、ストーリー自体は緊迫感のある時代劇の基礎を踏襲していると思います。

 

ただ演者同士のセリフは楽しいものも多く、ストーリーの暗さが目立たないようになっています。

 

そういった部分でもとてもバランスがとれた作品だと思います。

 

個人的にはとても好きな映画です。

 

このブログを始める前から視聴済みで、今回記事を書くために改めて視聴しましたが久しぶりに観てもおもしろかったです。

 

時代劇は抵抗がある人でも楽しい時間が過ごせるのでぜひ観てみてください。

北野映画の方向性を決定づけた映画『ソナチネ』

こんにちは。

那由多です。

 

今回は北野武さん監督作品4作目の映画『ソナチネ』を観たのでレビューします。

 

このブログをスタートするにあたって、せっかくだから北野映画を全部観てレビューしようと思って1作品ずつ観てきましたが、有名どころはだいたいおさえられました。

 

ソナチネ』は北野武監督の初期作品であり、後の作品に影響を与えた作品かなと思います。

 

北野映画のイメージはバイオレンスという方も多いと思います。

 

テレビCMで映画の宣伝をする時に銃を撃ちまくっているシーンが多いので、そういうイメージになるのも仕方ないと思います。

 

一番の見どころは紙相撲

バイオレンス多めになるのはやはり扱っているテーマが裏の家業だからということもあると思います。

 

そして裏の家業を描くとどうしても緊迫感があります。

 

そこに北野武さんではなくビートたけしさん要素が入り、コミカルな笑いが入ることで緊迫感と緩和の差が出て作品に深みがでていると思います。

 

今回の『ソナチネ』では紙相撲を行うシーンがあります。

 

これは後に出演者も「一番苦労した」と述懐していますが、かなりの力作だと思います。

 

思わずクスっと笑ってしまうシーンですね。

 

そして『ソナチネ』ではそういったクスっと笑ってしまうシーンに伏線があり、それを回収しながらクライマックスに向かっていきます。

 

あんまり死ぬのを怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ

映画『ソナチネ』は制作費が5億円、興行収入は8000万円と大赤字だったそうです。

 

しかし海外では北野武監督作品が認められるきっかけとなるほどヒットし、後にたくさんの受賞作品が誕生する礎となったようです。

 

ソナチネ』では大赤字を出してしまいましたが、ここで映画作りを諦めてしまっていたら後の成功はなかったわけですね。

 

そして裏の家業の役でコミカルなシーンを入れることで作品にコントラストができるというスタンスが確立しました。

 

さらに映画『ソナチネ』には名言があります。

 

ある女性が「死ぬのが怖くないの?」と聞きます。

 

その女性は危ない所をビートたけしさん演じる村川に救われており、村川が裏の家業をしていることを知っても懐いていました。

 

女性の質問に対して「あんまり死ぬのを怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」と村川は笑いながら答えます。

 

そして映画のラストに繋がっていきます。

 

ぜひ観てみてください。

良作!映画『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』

こんにちは。

那由多です。

 

今回はコメディ映画の『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』のレビューを行います。

 

この映画、個人的にはとてもおもしろくて高評価です。

 

映画『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』のあらすじ

化粧品会社の「リリー・ルクレア」という会社に勤める主人公のレニーはうまくいかない自身の人生を悲観していました。

 

明るく笑い合ってくれる同性の友人はいますが、男性には全くモテません。

 

そして仕事も華やかなオフィスで働ける本社勤務ではなく、暗いオフィスでウェブサイトの管理の仕事をしていました。

 

そんな境遇に嫌気がさし、自分を変えるためにフィットネスクラブに通います。

 

レニーはスーツがパツパツになるような体型をしてたからです。

 

そこでひょんなことから頭を打ち、鏡で自分を見た時に絶世の美女に見えるようになります。

 

しかし現実は何も変わっていません。

 

ただレニーの思い込みの力はとても強く、周りの意見も上手く受け取ってどんどん自信をつけました。

 

よく日本でもコントでありそうな設定ですよね。

 

なので物語に入り込みやすいと思います。

 

そして登場人物同士のやり取りもよく練られていて面白く、楽しく見られる作品だと思います。

 

レニーの現実は何も変わっていませんが、憧れだった「リリー・ルクレア」の本社勤務の志望を出し、受かってしまいます。

 

そして仕事も恋愛もうまくいきますが、バスルームの透明なドアが閉まっていることに気づかずに頭をぶつけてしまい…という内容です。

 

アメリカでの評価は辛めな映画『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』

この映画は2018年にアメリカで公開されています。

 

アメリカでの評価はあまり高くないようです。

 

その理由は主人公のレニーが太った女性で、それを面白おかしく描いていることに不快感を持つ人が多かったからだそうです。

 

昨今のポリコレによる評価ですね。

 

日本ではポリコレの影響が比較的少ないので普通に嫌悪感もなく楽しめたのかもしれません。

 

そしてこの映画のテーマはおそらく、どんな境遇でも自分自身がどう捉えて振る舞うかによって人生は好転するということだと思います。

 

ようは「体型とか気にせず自信を持とう」ということだと思います。

 

しかしこの映画には「芯がない」という意見もあるようです。

 

先ほど書いたテーマの部分が芯だと思うんですが、そういった評価が多いようです。

 

なので日本人にはとても合う作品だと思います。

 

ちなみにあるシーンで主人公が踊り狂う場面があります。

 

その踊りと体型を見た時に「日本で、もしこの映画を全キャスト日本人で舞台化とかをするなら渡辺直美さんがはまり役だな」と感じました。

 

実は渡辺直美さんが日本語訳の声優さんで、声をあてていたんですね。

 

この映画の主人公は渡辺直美さんしかできないと思います。

 

そんなめちゃくちゃおもしろい映画の『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』をぜひ観てみてください。

ゾンビが当たり前になった世界を描く映画『ランド・オブ・ザ・デッド』

こんにちは。

那由多です。

 

ゾンビ映画の監督といえば「ジョージ・A・ロメロ」監督だと思います。

 

たくさんのゾンビ映画を手掛けている「ジョージ・A・ロメロ」監督ですが、今回紹介する『ランド・オブ・ザ・デッド』も同監督の作品です。

 

ただこの『ランド・オブ・ザ・デッド』は普通のゾンビ作品ではありませんでした。

 

「ゾンビっていつからいるっけ?」と聞いたら「3年前から」という答えが返ってくる世界

普通のゾンビを扱う作品はまず平和な生活を暮らしている人間たちが描かれます。

 

そしてその日常の中に1体のゾンビが何らかのきっかけで生まれ、瞬く間に多くの地域にゾンビが感染していきます。

 

そして普通の人間だった人物がゾンビに変容していく様を丁寧に描写します。

 

普段の日常が壊れていくシーンなので、そりゃ丁寧に描写しますよね。

 

しかし『ランド・オブ・ザ・デッド』はゾンビが地上に出現してから3年後を描いています。

 

物語の中ではゾンビに対して悲しみや恐怖を持つ人物は多いですが、ゾンビを見て驚く人物はいません。

 

すでにゾンビは存在していて、フェンスなどで生活圏を分けて暮らしている世界になります。

 

この設定はおもしろいですね。

 

ゾンビが成長する『ランド・オブ・ザ・デッド

ランド・オブ・ザ・デッド』のもう一つの特徴はゾンビが成長するというものです。

 

だいたいのゾンビ作品ではゾンビはただ歩き回り、腕力がありいつも飢えているように描かれます。

 

そして道具を使ったり言葉でコミュニケーションを図ったりはできません。

 

さらに普通の映画ではゾンビは元々人間だったのにゾンビのウイルスに侵された悲しい存在であったり恐怖をもたらす存在だったりします。

 

人間にとっては敵として描かれます。

 

しかし『ランド・オブ・ザ・デッド』のゾンビは人間を見つけると襲うという性質はありますが人間がいなければ平穏に暮らしています。

 

そこに食料を探しにきた人間が来ます。

 

そして3年間もゾンビと戦っている人間はゾンビを恐れず、ゾンビは狩りをする対象のように楽しそうに狙撃します。

 

慣れって怖いですね。

 

仲間を蜂の巣にされてしまったあるゾンビは怒り、人間が持っていた銃を取り上げ、仲間のゾンビに号令をかけて人間の住む地域に進攻します。

 

怒りによって学習し、銃も理解して人間に向けて発砲するようになります。

 

そして人間側も一枚岩ではなく、フェンスは破られ…といった内容です。

 

上記の他にもゾンビは成長していきます。

 

勧善懲悪な要素は少なく、ゾンビ側に少し同情してしまう人も多いと思います。

 

この映画はお勧めできるかと言われると、よくあるゾンビものが好きな人にはお勧めできないかなと思います。

 

どちらかというと普通の映画が好きで気まぐれにちょっと怖いのが観たいという人や、もうよくあるゾンビものは飽きたという人は楽しめるんじゃないかなと思います。

 

上記に当てはまる方はぜひ観てみてください。

美しくも悲しい映画『楢山節考』

こんにちは。

那由多です。

 

昔話に『姥捨山』というものがあります。

 

姥捨山は「うばすてやま」と読み、食糧不足の村で口減らしのために労働力にならない老人となった親を山に置いてくるという内容です。

 

そして親は自身を運ぶ子の帰り道を案じて、木の枝など目印になるものを道に捨てていきます。

 

家族愛を感じますが、貧しさから残酷な決断をせざるを得ない切なさを感じられる話ですね。

 

この姥捨山の昔話が実際にあったことなのかは現在でも議論になっているようです。

 

そして姥捨山の伝説を小説化し、後に映画になった『楢山節考(ならやまぶしこう)』を今回観てみたのでレビューします。

 

映画『楢山節考』のあらすじ

まず『楢山節考』は1958年に映画化された作品と、1983年に映画化された作品があります。

 

僕は1983年に公開された『楢山節考』を観てみました。

 

この作品の特徴でまず感じることは、1983年に公開されたとは思えないほど美しい映像だということです。

 

ぜひ実際にご覧になってください。

 

映画の内容は姥捨山に沿っています。

 

舞台は畑や田んぼにできる土地も少ない雪深い山間の地域で、越冬する際の食料はいつもギリギリでした。

 

物語の主人公の辰平が住む村は

・長男しか結婚して子供を残せずない

・他人から食料を盗んではいけない

・70歳の老人は「楢山参り」をしなければいけない

 

という掟がありました。

 

長男以外が子供を持つと人口が増えて食物がなくなり餓死してしまいます。

 

なので長男以外は長男に仕えて一生を終える必要があります。

 

他人から食物を盗んではいけないルールは、盗みが発覚したら家を破壊されて食物を根こそぎ持っていかれてしまうという仕返しを受け、村八分にされてしまいます。

 

しかし盗みを働いた家以外の村人にとっては臨時で食料が手に入るために、お祭りのようになっていました。

 

そして「楢山参り」も食物を節約するために行う口減らしです。

 

現代では考えられない事ですが、食物が不足していた時はこういった掟で村全体が滅びることを防いでいたわけですね。

 

今の世の中では生き残るために生きるのではなく、いくらでも楽しい事ややりたい事ができるので、本当に幸せな時代に生まれたと感じると思います。

 

そして「楢山参り」には決まりがあります。

 

それは

・「楢山参り」の際には話してはいけない

・誰にも目撃されずに家を出発する

・山に親を降ろしたら振り返ってはいけない

 

というものです。

 

この決まりのために「楢山参り」はとても寂しく、悲しいものになっています。

 

全てが本物志向の『楢山節考

昔の映画はかなり無茶をして制作しているエピソードがあります。

 

楢山節考』もかなりこだわって制作されていたようです。

 

「楢山参り」で山に行くことになる主人公の辰平の母親に「おりん」という人物がいます。

 

「おりん」は歯が丈夫でした。

 

しかし年をとっても歯が丈夫なのは食料が少ないこの村では恥でした。

 

そこで「おりん」は自ら歯を折り、ニコッと笑って前歯がなくなったのを見せるシーンがあります。

 

このシーンのために「おりん」役の「坂本スミ子」さんは実際に前歯を削り、インプラントにしたようです。

 

こういった昔の映画のエピソードには驚きますね。

 

さらに「楢山参り」のシーンでとても衝撃的な場面があります。

 

山道にたくさん散らばっているものがあるのですが、なんとそれも本物を使ったようです。

 

これもご覧になったら驚くと思うのでぜひ観てみてください。

漫画やアニメの中で登場する天才像がそのまま現実に出現!『ビューティフルマインド』

こんにちは。

那由多です。

 

今回は伝記映画のレビューです。

 

映画『ビューティフルマインド』は実在の数学者の「ジョン・ナッシュ」さんの半生が描かれています。

 

この「ジョン・ナッシュ」という人物が凄い人でした。

 

映画『ビューティフルマインド』のあらすじ

 

この映画は2001年にアメリカで上映され、日本では2002年に上映されました。

 

舞台は1974年のアメリカのプリンストン大学から始まります。

 

大学に入学した当時の「ジョン・ナッシュ」さんは頭はいいが人間関係がとても苦手な人物でした。

 

どんな風に人間関係が苦手かというと、言ってはいけないような事を女の人に言ってしまい、女の人にビンタをされるような感じです。

 

しかし自身を理解してくれるルームメイトに出会い、研究に没頭し、優秀な成績を残します。

 

そして在学中にある老教授が論文で賞を獲り、祝福される場面を目撃します。

 

その時、老教授はたくさんの研究者に囲まれ、祝福の言葉を受けながらペンをプレゼントされます。

 

老教授の目の前にはペンがズラッと並びますが、それが敬意を表する儀式でした。

 

そして「ジョン・ナッシュ」さんはMIT(マサチューセッツ工科大学)の研究者になりました。

 

MITでは少し厳しい一面もありますが、優秀な先生として過ごしていました。

 

すると黒ずくめの男性と知り合います。

 

その黒ずくめの男は国防総省と名乗り「ジョン・ナッシュ」さんに協力を求めます。

 

どんな協力かというとソ連(現・ロシア)の暗号を解くというものでした。

 

ソ連に命を狙われているという恐怖を持ちながらも日々を過ごします。

 

そしてMITの教え子の「アリシア」さんと惹かれ合い結婚をし、危ない橋を渡りながらも順調な毎日を過ごしていました。

 

しかし「アリシア」さんには国防総省の仕事は打ち明けていません。

 

ここから話は展開し、驚きの結末を迎えるという内容です。

 

はかない人生を送りがちな天才

 

以降、少しネタバレを含みますので知りたくない方は読み飛ばしてください。

 

上述のようにこの映画は2001年にアメリカで上映されました。

 

この映画が上映された時は主人公の「ジョン・ナッシュ」さんは生きています。

 

ジョン・ナッシュ」さんは映画の中ではとても苦労をし、それを乗り越えられずうまく付き合っていく事を選択します。

 

そして映画の最後には「ノーベル経済学賞」を受賞します。

 

ゲーム理論」をより発展させたことによって受賞しましたが、映画の中で描かれるようなハンデを背負って受賞するのはすごいと思います。

 

やはり天才は頭が良すぎるがゆえに何か欠陥があるものなのかなと感じます。

 

そして2015年に彼は妻の「アリシア」さんと共に自動車事故で亡くなっています。

 

それも「アーベル賞」という数学者にしか与えられない賞の授賞式の帰りに亡くなります。

 

86歳で亡くなったので若くして亡くなったというわけではありませんが、数学者として全てやりきって使命を終えたように感じます。

 

もちろん本人はまだ高みを目指していたかもしれませんが。

 

そういった最期も天才特有のはかなさを感じます。

 

ということで『ビューティフルマインド』をぜひ観てみてください。

日本の漫画との類似点がちょっと気になった映画『ワールドウォーZ』

こんにちは。

那由多です。

 

以前、日本の漫画で映画化もされた『アイアムアヒーロー』という映画のレビューをしました。

うだつが上がらない売れない漫画家が主人公な『アイアムアヒーロー』 - 那由多の映画ブログ

 

また大ヒットした『進撃の巨人』という漫画があります。

 

その漫画に「類似点があるな」と個人的に感じたアメリカの映画の『ワールドウォーZ』についてレビューします。

 

たぶんこの記事を読んでいる方は「日本の漫画に似てるのではなく、アメリカの映画の『ワールドウォーZ』にその漫画が似ているのだろう」と思っていると思います。

 

または「『アイアムアヒーロー』や『進撃の巨人』が『ワールドウォーZ』の内容を参考にしたんだろう」と思っているかもしれません。

 

そのあたりも含めてご紹介します。

 

映画『ワールドウォーZ』のあらすじ



『ワールドウォーZ』はブラッドピットさんが演じる元国連職員の「ジェリー」が主人公です。

 

イケメンでエリートな人物です。

 

物語の開始時点では国連職員を辞めて平和な家庭を築き、良きお父さんをしています。

 

アイアムアヒーロー』の主人公は鈴木英雄という漫画家になろうとしてなりきれない、うだつが上がらない男です。

 

彼女はいてもうまくいかない人生から八つ当たりをしてしまうという人物です。

 

主人公は正反対ですが内容は「ゾンビ」物です。

 

そしてそれぞれゾンビをゾンビと呼ばずに、作中では独自の呼称でゾンビを呼んでいます。

 

『ワールドウォーZ』では「Z」と呼び、『アイアムアヒーロー』では「ZQN」と呼ばれます。

 

『ワールドウォーZ』ではそのまま「ゼット」と呼んでますが、『アイアムアヒーロー』の方は原作では読み方が不明で映画版では「ズキュン」と呼んでいました。

 

そしてそれぞれのゾンビの特性ですが、音に反応をするということも類似しています。

 

アイアムアヒーロー』では人間時代の習慣をZQNになってからも繰り返すという習性がありますが、音を聞くと凶暴化して襲ってきます。

 

そして『ワールドウォーZ』では感染源を突き止めるためにエルサレムに向かいます。

 

普通のゾンビ物だとだいたいショッピングモールなど食べ物があって武器もあって籠城できる巨大な施設に逃げます。

 

アイアムアヒーロー』でもショッピングモールに逃げ込むシーンがあります。

 

しかし『ワールドウォーZ』は逃げるのではなく調査を行うので、他のゾンビ物と比べるとパニック要素が少なく、戦う人類を描きます。

 

ブラッドピットさん演じる主人公の「ジェリー」は国連職員に復帰し、エルサレムに向かいますが、そのエルサレムでは「Z」に侵されていない人間だけの居住区を壁で覆っています。

 

この設定は『進撃の巨人』の「ウォールマリア」ですね。

 

壁の中で平和を謳歌していた人間ですが、音楽を鳴らし平和ボケをしていた時にその音に反応した「Z」が壁を越えて人間の居住区に侵入します。

 

超大型巨人は作中に登場しませんが、それを彷彿とさせる内容です。

 

そして『アイアムアヒーロー』『進撃の巨人』『ワールドウォーZ』の制作時期ですが、なんと全て2009年です。

 

しかし、『ワールドウォーZ』だけ脚本が遅れ、撮影に着手できたのが2011年、公開されたのが2013年です。

 

なので『アイアムアヒーロー』や『進撃の巨人』が『ワールドウォーZ』を参考にすることはできません。

 

もしかしたら『ワールドウォーZ』の方が日本の漫画の影響を受けていたのかもしれませんね。

 

『ワールドウォーZ』は元々は2006年に発売された小説を元にしているようです。

 

それなら「小説の『ワールドウォーZ』を読んだ日本の漫画家が参考にしたのでは?」と思うかもしれません。

 

しかし映画化に伴って原作とは大きく内容が変わって、題名は一緒でも別物となっているようです。

 

日本の漫画が世界に影響を与えたのかもしれないと思うとワクワクしますね。

 

良作のゾンビ映画なのでぜひ観てみてください。